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サクソフォン奏者・上野さんが演奏のこつ伝授 ミニコンサートも開催

2024.09.11

 サクソフォン奏者の上野耕平さんを招いたアウトリーチ&ミニコンサートが9日、あきた芸術劇場ミルハス小ホールAで開かれました。上野さんは秋田大学吹奏楽団の4人に指導し、音の響かせ方や表現のこつを伝授。後半のミニコンサートでは、ピアノ伴奏に合わせてきらびやかな演奏を披露しました。県や市、ミルハスを運営するあきた芸術劇場AAS共同事業体などでつくる「ミルハスを核としたにぎわい創出実行委員会」の主催。

 上野さんは茨城県東海村出身で、東京芸大器楽科卒。第28回日本管打楽器コンクールサクソフォン部門で第1位に輝き、同時に史上最年少で特別大賞を受賞。国際コンクールでも実績を残し、時代をけん引する若手演奏家として活躍しています。

 演奏指導の課題曲は、デザンクロ作曲のサクソフォン四重奏曲第3楽章。上野さんは、リードの位置やストラップの長さを適切に調整することからアドバイスしました。音楽は絶えず変化するものだと話し、「その場その場で求められる『いい音』は変わる」と強調。「正しい音を出すよりも、どういう音を出すかを考えることを優先して」と語り、自ら演奏して見せる場面もありました。

 学生との会話を大切にしながら、リズムの取り方や音のニュアンスについて熱く伝える上野さんの姿が印象的でした。指導を受けた4人は「上野さんの一言でどんどん音楽が変わっていくのが分かった」「自分では考えてもいなかった角度からアドバイスをいただき、プロの引き出しの多さを感じた」「優しく情熱的に指導してもらい、貴重な経験だった」「上野さんが吹く様子を近くで見ることができて感動した」と話していました。

 ミニコンサートでは、「G線上のアリア」「スカラムーシュ」など曲調の異なる5曲を披露した上野さん。息遣いが間近に聞こえる近さで、約200人が演奏に聴き入りました。

観客約200人を前に、サクソフォンの特徴などについて語る上野さん
演奏指導では自ら楽器を吹いて手本を見せる場面も
プロから手ほどきを受け、学生たちの演奏は見る見るうちに磨かれていった
上野さんによるミニコンサート。きらびやかな演奏で観客を魅了した