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ミルハス初の狂言公演 奥ゆかしい表現で観客魅了

2024.06.08

 狂言師で人間国宝の野村万作さん、野村萬斎さんらによる公演「狂言の世界」(ABS秋田放送、あきた芸術劇場ミルハス主催)が8日、大ホールで開催されました。観客は、狂言ならではの奥ゆかしい表現を味わいました。

 一部の演目は「二人袴(ふたりばかま)」。結婚後、初めて妻の実家にあいさつに行く聟(むこ)役を萬斎さんの長男・野村裕基さんが演じ、聟の父親を萬斎さんが演じました。大事な「聟入り」の日に思わぬトラブルに見舞われた2人。ほのぼのと笑える立ち居振る舞いで会場を沸かせました。

 2部で披露された「六地蔵」は、詐欺師の「すっぱ」が仲間の3人と田舎者をだまそうとするストーリー。演者が本舞台と橋掛かりを何度も駆け回るにぎやかな展開が観客の目を楽しませました。すっぱを演じたのは、92歳ながら第一線で活躍する万作さん。円熟味のある表現が光りました。

 ミルハスで狂言の公演を行ったのは初めて。2演目とも分かりやすく笑える内容で、初めて狂言を見る人でもリラックスして楽しめました。

親子で「二人袴」を演じた萬斎さん(左)と長男の裕基さん
妻の実家に初めてあいさつに行く聟と父親を描いた二人袴の一場面
92歳の万作さん(中央)が「六地蔵」のすっぱ役を演じた
舞台を広く使って動き回るにぎやかな展開が観客の目を楽しませた