5月20日、「#あきた民謡フェス」がミルハス中ホールで開かれた。民謡のこれからにも光を当てようとする連載「#あきた民謡」を紙面展開する秋田魁新報社とミルハスが共催した。県内の若手歌手7人がポップスなども交えて20曲を披露。みずみずしい歌声で観客650人を楽しませた。
若手ばかりとはいえ出演者たちは各種民謡大会で輝かしい受賞歴を持つ。幕開けは6人による「秋田大黒舞」。一気に盛り上がったところで、2019年の江差追分全国大会優勝のライリー大仁(たあじ)さん(18)=鹿角市=が「秋田追分」、2017年度の民謡民舞少年少女全国大会小学4・5・6年の部優勝の木村千翔(ちひろ)さん(16)=同=が「秋田馬子唄」を披露した。続いて二人は美空ひばりメドレーを歌い、客席に一味違う楽しさを届けた。
3姉妹でステージを彩ったのは髙橋真理香(まりか)さん(23)=男鹿市、髙橋愛実香(あみか)さん(20)=秋田市、中学3年の髙橋杏里さん=男鹿市。杏里さんが新民謡の「久保田節」などを歌い、真理香さんと愛実香さんは民謡や新民謡のほか、「everything」(ミーシャ)と「ハルノヒ」(あいみょん)をそれぞれ聞かせた。真理香、愛実香のお姉さん二人は、第二部で曲の合間を会話でつなぐ役割も果たし、息の合った軽妙なやり取りで会場を和ませた。
客席をしみじみと酔わせたのは倉田珠衣(しゅい)さん(29)=秋田市だ。昨年度の郷土民謡民舞全国大会・民謡グランプリの部で内閣総理大臣賞を獲得した「秋田長持唄」を披露した後、「涙そうそう」(夏川りみ)も歌った。続いて登場した浅野沙樹さん(29)=大仙市=は2021年度の日本民謡民舞全国大会内閣総理大臣賞受賞者。「新タント節」、「Precious」(伊藤由奈)など3曲で力強い歌声を響かせ観客を魅了した。
公演の最後には7人がステージに並んで新民謡「秋田節」を歌い上げた。若い力で客席を揺るがすようなフィナーレとなった。