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「秋にぴったりの名曲味わって」 11月13日、「仙台フィル コンチェルトの饗宴」に出演 バイオリニスト正戸さんインタビュー 

2022.11.08

 クラシックコンサート「仙台フィル コンチェルトの饗宴」が11月13日、あきた芸術劇場ミルハスの大ホールで開催されます。世界レベルの文化の提供やアーティストと県民の交流、文化による地域創生を目的とする「第1回秋田・潟上国際音楽祭2022」の一環。コンサートの出演者で、パリと日本を拠点に活躍するバイオリニスト正戸里佳(まさと・りか)さんに演奏する曲目の特徴や意気込みを聞きました。

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ー出演されることになった経緯は。
 正戸 私の所属する音楽事務所「コンサートイマジン」(東京)の佐藤修悦社長は、秋田県大仙市の出身です。佐藤社長が長年の夢であった「秋田・潟上国際音楽祭」の一公演として、仙台フィルと協奏曲ばかりのコンサートを企画しました。秋田にぜひ紹介したいアーティストとして、私とフランスのピアニストのアンリ・バルダさんを推薦していただきました。

―コンサートを控えた今のお気持ちは。
 正戸 記念すべき第1回目の音楽祭で、大好きなメンデルスゾーンのコンチェルトを演奏できることをとてもうれしく光栄に思います。秋田の方々に、秋にぴったりの素晴らしく美しい名曲を、とことん味わっていただきたいです。将来的には、この音楽祭を秋田の皆様に喜んでいただき、県外からも多くの方々が訪れてくださるよう、どのように発展させていくかということも関係者の皆様とご相談していけたらと思います。

―仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演し、横山奏さんが指揮します。
 正戸 仙台フィルとの共演は、今回が初めてです。国際的にもハイレベルで、ヨーロッパのオーケストラにも通じる雰囲気を持っているとお聞きしていますので、とても楽しみです。横山さんとの共演も初めてですし、ミルハスもできたてほやほやということで、どんな音が融合しホールに鳴り響くのか、非常に楽しみにしております。
 アンリ・バルダさんは、パリの歴史あるホール「サル・ガヴォ」でリサイタルを聴いたことがあります。素晴らしいコンサートでした。今回のコンサートは共演ではありませんが、バルダさんの演奏を聴き、お話しするのも楽しみです。

ー演奏するメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲 ホ短調 作品64はどんな曲ですか。
 正戸 この作品を初めて演奏したのは、中学1年生の時、ポーランドのオーケストラとの共演でした。以来、いろいろな場所で演奏しています。冒頭から、歌うような調べが切々と心に迫ります。華やかな技巧が音楽的に展開されていき、聴きどころ満載で気品のある、とても美しい作品です。「この曲を聴けばバイオリンが分かる」と思うほどに、バイオリンの魅力が生き生きと表現される作品でもあります。哀愁のあるメロディーや温もりのある情感は、秋田の秋にもぴったりかと思います。

―秋田での演奏経験は。 
 正戸 秋田での演奏はこのコンサートが初めてです。先日、テレビや新聞等の取材のために初めて伺いましたが、自然豊かで、人が温かくて、空気が澄んでいて紅葉が美しくて、素敵な街だと感じました。比内地鶏、きりたんぽ、ジュンサイなどの名物、つくだ煮、そして地酒もいただきました。おいしい物もたくさんあって、本当の豊かさを味わった気がします。
 秋田・潟上国際音楽祭実行委員会副委員長の佐市さん(潟上市出身のピアニスト、作曲・編曲家千田浩太さん)は、実は6年前にパリで知り合った友人です。秋田を訪れた際に、佐市さんのラジオ番組(エフエム秋田「クラシックの扉」)にも出演させていただきました。これから、この音楽祭を通じて秋田の皆様と、もっとつながることができたらうれしいなと思っています。

ーミルハス大ホールでのステージに向けた意気込みをお聞かせください。
 正戸 ミルハスの大ホールは秋田杉がふんだんに使われていると伺いました。先日、少し見学させていただきましたが、外見も内装もとても美しく、豊かな響きが想像され、あのステージで演奏できることが今から楽しみでわくわくしています。メンデルスゾーンの美しい名曲を心から奏でますので、秋田の皆様にお楽しみいただけたら幸いです。

 【略歴】まさと・りか 広島市生まれ。3歳からバイオリンを始め、桐朋女子高等学校音楽科を首席で卒業後、同大ソリスト・ディプロマ特待生を経て渡仏。パリ国立高等音楽院大学院修士課程を首席で卒業。パリと日本を拠点に各国でリサイタルやコンチェルト、室内楽の公演を行うなど精力的に活動している。2006年に17歳でパガニーニ国際バイオリンコンクール第3位。2018年CDデビュー。公式HP https://rikamasato.com

 【チケット販売】 チケット料金はS席5千円、A席4千円、B席3千円(いずれも税込み)。取り扱いはコンサートイマジン http://concert.co.jp、TEL 03・3235・3777、アートオフィスサイチ TEL018 ・874・9215、さきがけNewsCafe TEL018・874・8171、チケットぴあ https://t.pia.jp(Pコード 223ー261)、あきた芸術劇場ミルハス。問い合わせはコンサートイマジンへ。