9月23日のあきた芸術劇場ミルハスグランドオープン記念特別公演で新日本フィルハーモニー交響楽団と共演するピアニストの小山実稚恵さんが21日、秋田市入りしました。小山さんは「ミルハス、そして秋田が未来へ向かう力となるように心を込めて演奏します」と意気込みを語りました。
小山さんは21日午前、秋田空港に到着すると、まっすぐにミルハスに向かいました。大ホールには今年2月に東京で、小山さん自身が選んだスタインウエイのピアノ2台が並びました。小山さんは1台1台の音を確かめるようにピアノに向かいました。「ピアノはホールとともに育ちます。2台のピアノに、また会いたいと思っていました。2台とも素晴らしい響きと輝かしさを持っています」とし「1台は輝かしさと深みを、もう1台は輝かしさと華やかさを備えています」と話しました。
ミルハス大ホールについての印象は、「近代的ながら、和の雰囲気も持っており、見事に調和しています。秋田杉の木目など壁面全体の曲線がしなやかさを表現しています。細やかな木目が影響しているのでしょうか…。特に小さな音、ピアニッシモの音質が大変美しいと感じました。力強さ、深みもありますね。ホールを造った人の気持ちが込められているホールだと感じました」と述べました。
グランドオープン記念特別公演の演奏については「立派なホールのこけら落としで音を響かせることができるのは幸せ。これからミルハスの歩みが始まります。演奏するラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、ラフマニノフがまさにこれから未来へ向かって歩んでいこうとの意図を持って作った曲です。こけら落としにふさわしい曲だと確信しています」と話し、精いっぱいの演奏を披露することを誓いました。
小山さんは21日お昼過ぎから午後5時過ぎまで、ピアノに向かいました。2台のうち、どちらを演奏するかはほぼ決まったようでしたが、それは当日のお楽しみ。観客の皆さんに、華やかな1台なのか、深みのある1台なのかを感じ取ってほしいです。
こやま・みちえ 宮城県生まれ。チャイコフスキー国際コンクール、ショパン国際ピアノコンクール入賞。以来、常に第一線で活躍。協奏曲のレパートリーは60曲を超える。国内外の主要オーケストラとの共演も多数。2005年度文化庁芸術祭音楽部門大賞、16年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。17年度には紫綬褒章を受章。
※公演チケットは既に完売しています。