障害のあるお客さまの公演鑑賞をサポートするためのボランティア研修会が14日、あきた芸術劇場ミルハスで初めて開催されました。劇場での障害者支援に関心のある県内の7人とミルハス職員6人が参加。障害者に対応する時の心構えや視覚障害者の歩行介助の方法を学びました。
一般社団法人日本障害者舞台芸術協働機構(大阪市)の南部充央代表理事を講師に招きました。はじめに座学を行い、障害のある人と接する時に気を付けることとして「相手の人格を尊重する」「プライバシーには立ち入らない」などのポイントを教わりました。
続いて大ホールに移動し、目の見えない人や弱視の人を介助する方法を学習しました。南部さんは「視覚障害の方が右手に白杖を持っている場合は左側に寄り添って介助する。自分の肘を持ってもらったり、肩に手を置いてもらったりするといい」と説明。客席の狭い通路を通る時は横並びで歩くことや、階段では最初に「上りなのか、下りなのか」を説明することなど介助のこつを伝えました。参加者は2人一組になり、障害者役と介助者役に分かれてサポートの仕方を実践しました。
このほか、車椅子の押し方も学習。南部さんが車椅子を使って実践してみせ▽傾斜のきつい下り坂では、介助者が坂の下側に後ろ向きになってゆっくり進む▽段差を越える時は車椅子の後方にあるレバーを踏んで前輪を浮かせる―などのポイントを解説しました。
2025年度の鑑賞支援サービス対象公演は、「第3回あきた吹奏楽の日~大いなる秋田定期公演~」(12月21日)、Kバレエ・オプト『踊る。遠野物語』(1月12日)、舞台「飛び立つ前に」(1月24、25日)の3つ。聴覚障害者向けの補聴システムの貸し出しや視覚障害者向けの客席案内などを行います。サービスの利用は事前申し込み制。研修会に参加した一部のボランティアスタッフもミルハス職員とともに障害者のサポートや受付業務などを担う予定です。



