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東京吹奏楽団が演奏のこつ伝授 「東吹塾✕ミルハス」

2025.06.22
初日の楽器別講習。東京吹奏楽団の楽団員が指導した

 東京吹奏楽団による演奏講習会「東吹塾✕ミルハス」が21、22日の両日、あきた芸術劇場ミルハスで開催されました。県内外の中高生や吹奏楽指導者らが参加し、2025年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲の演奏方法を学びました。

 初日は中高生ら約60人が参加。練習室で楽器ごとに分かれて講習を受けた後、小ホールBで合奏をしました。フルートの講習では楽団員の林広真さんが講師を務め、フレーズごとの音のイメージや表現方法を丁寧に説明しました。楽団員12人を含めた合奏を指揮したのは、東京吹奏楽団正指揮者でミルハスのアドバイザーでもある佐々木新平さん(秋田市出身)。「休符をしっかりと感じて、テンポや音の動きを明確にして」などとアドバイスしながらオーケストラを導きました。

合奏練習後、楽団員にアドバイスを求める生徒が多く見られた

 講習に参加した藤田倖咲さん(秋田南中3年)は吹奏楽部でトロンボーンを担当。「リズムの取り方や強弱の付け方など、まだ理解不足だった細やかな表現を学ぶことができて良かった」と充実した表情を見せました。フルートの指導をした林さんは「音楽に対して純粋な好奇心を持った意欲的な学生が多くてうれしかった。たくさん質問されるうちに自分も勉強になった」と話しました。この日は佐々木さんによる指揮法基本講座も行われ、吹奏楽指導者ら10人が教わりました。

 2日目は中ホールで明桜高校吹奏楽部をモデルバンドに迎え、指揮と楽器演奏のこつをより実践的に学習。吹奏楽部に所属する生徒ら約100人が聴講しました。指揮講習には9人が参加し、1人ずつ指揮台の上で佐々木さんの指導を受けました。

2日目の指揮講習。自ら指揮棒を振り助言する佐々木さん(手前)

 佐々木さんは時折自らタクトを振りながら、オーケストラに伝わりやすい指揮の仕方をアドバイス。「できるだけオーケストラに余計な情報を与えないことが大切」とし、体や顔を動かしすぎずにシンプルに指揮棒を振る重要性を強調しました。また、テンポが速い時ほど小さくコンパクトに振ること、音を長く伸ばしている間も腕の動きを止めないことなど、曲に合わせて具体的に指導しました。モデルバンドに混ざった楽団員からも奏者目線でさまざまなアドバイスが飛びました。

 指揮講習に参加した秋田大学吹奏楽団の指揮者藤田春翔さん(秋田大4年)は「伸びやかなフレーズを指揮する時に拍子にとらわれていたことに改めて気付くことができた。緊張したけど、プロの振り方を間近で見てとても勉強になった」と話しました。

 吹奏楽が盛んな秋田ですが、プロの吹奏楽団から直接手解きを受ける機会は多くありません。学びの深い濃密な2日間となりました。東京吹奏楽団の皆さま、参加していただいた皆さま、大変ありがとうございました。

モデルバンドを指揮した受講者
モデルバンドに混ざって楽団員も一緒に演奏
奏者目線で指揮や楽器演奏のアドバイスをする楽団員