アイドルグループ・私立恵比寿中学(通称・エビ中)のコンサート「私立恵比寿中学秋田分校 おらが美の国フェス2021」が6日、秋田市文化会館で開かれました。民謡歌手や竿燈などと共演し、秋田の魅力を発信するユニークな公演は2015年から開かれてきましたが、昨年はコロナ禍で中止。2年ぶりのステージは昨年の分も盛り上がり、市内各所で多彩な関連イベントも行われました。エビ中メンバーで秋田分校生徒会長の小林歌穂さん(21)に、秋田について感じていることや、あきた芸術劇場「ミルハス」での公演に向けた思いを聞きました。
―2年ぶりとなった秋田分校に臨む前の気持ちは。
小林 エビ中は5月に新たなメンバー3人が加わり、新体制(9人)になりました。これまでと違う私たちを秋田の皆さんにも楽しんでほしくて。また、前回までは秋田で活躍している方と(共に舞台に立つ)コラボという形だったのが、今回はコロナ対策で(1組ずつ出演する)フェス形式。やり方は変わりましたが、秋田をいろんな人に伝えるために頑張りたいなと。
―コンサートの開催の他にも地元放送局の番組出演、あきた美の国ガールズへの任命など、秋田と関わりを深める中で感じていることは。
小林 まず、秋田の方は優しくて温かい。(コンサートの時は)いつも街全体で迎えてくれます。「待っていたよ」と盛り上げてくれるのが本当にうれしい。エビ中は全国でツアーをやらせてもらったりしていますが、珍しいですね。皆さん朗らかで、いつもほっこりして帰っています。
秋田といえば、ナマハゲというイメージが強くありました。いざ見た時は驚いたというか、「怖っ」と思ったんですが、ナマハゲに扮(ふん)した方々と会ったら温かかった。もう怖くないです。
―その他、秋田についての印象や心に残るエピソードはありますか。
小林 ご飯がおいしい。メンバーはもちろん、一緒に来るスタッフさんも楽しみにしています。「きりたんぽが、また食べられる」とか。個人的に、特に好きなのが横手やきそばと稲庭うどん。親しみやすく、つい食べたくなる味がいい。
(ABS秋田放送のラジオ番組)タマリバの企画で、たけや製パンさんと秋田分校の開催に合わせ「平凡人パン」も作っています。私は小さい頃から絵を描くのが好きで、小学5年生ごろから描いていたのが平凡人。「キモカワ」と言う人もいる、何とも言えないオリジナルキャラクターですが、まさかパンになるとは。試行錯誤しながら、(包装に平凡人をデザインした)おいしいパンを届けられているのがうれしい。ファンも喜んでくれ、パッケージを使ってポーチなどを作っている方もいます。もっといろんな人に食べてほしい。
―秋田で好きな所は。
小林 角館。すごく趣があっていい。この間はタマリバのロケで訪れ、人力車に乗って街を巡りました。武家屋敷が並んでいて、車が走っているのが不思議に思えるくらい。当時のものを大切にしているのがすてきで、落ち着きます。
―今年、エビ中に新メンバーが加わりました。グループの仲はどうですか。
小林 1番上が24歳、下が14歳で10歳離れています。新メンバーが話しやすいように努めていて、最近、距離が縮まっている気がしています。頻繁にLINE(ライン)で連絡を取るようになり、私と一番年下の風見和香は「鬼滅の刃」が好きなので、「今日放送ありますよ」「録画してますか」といったやりとりをしています。年齢は全然違うのに、同じ話題で仲良くなれてうれしい。
―新メンバーに加え、安本彩花さんが悪性リンパ腫の治療から復帰しました。新生エビ中になってからの変化と、今後どんなグループになりたいかを教えてください。
小林 以前の6人のエビ中は、結構ストイックにパフォーマンスに取り組んでいました。衣装もモノトーンが多かったですね。そこに14、16歳の若いメンバー3人が入って華やかに見えているなと思っていますが、パフォーマンスはまだまだ。今、ひなちゃん(柏木ひなたさん)が休養中でいないということもあり、9人のエビ中をつくっていくのはこれから。今までつくり上げてきたものは壊さず、さらにパワーアップできたらいいなと思っています。もっと「エビ中のパフォーマンスはいいね」と思ってもらえるようになりたい。
―秋田分校の会場になったこともある秋田県民会館が取り壊され、跡地にあきた芸術劇場が建てられています。県民会館より舞台が広くなり、客席も増え、来年6月開館、9月グランドオープンとなります。そこで公演を開きたい気持ちや、こんなステージを披露したいという思いはありますか。
小林 もちろん、やらせてもらえるならやりたい。今回は8人でしたが、きっと9人で来ます。秋田分校にはいろいろな方に出演してもらっているので、全員がステージに上がるとパンパンになっていました。みんな呼んだ時でも余裕があるぐらいの大きなステージに立てたらうれしいな。より広い会場で、ナマハゲとまたロックな曲もやりたい。何なら私もナマハゲになってみたい。皆さんと思う存分コラボして、より秋田色の強いステージができたらいい。秋田を知らないファンの方々にも、もっと足を運んでもらえたらと思います。