あきた芸術劇場ミルハス初の「松竹大歌舞伎」公演が11月11日、大ホールで開催されました。全国20会場で行われている巡業の一環。中村錦之助さん、中村隼人さん親子の息の合った芝居が観客を楽しませました。
上演前の時間を使い、隼人さんが二つの演目の内容を解説しました。客席の出入り口から登場し、観客の握手に応じるなどして笑顔を見せた隼人さん。会場は和やかな雰囲気に包まれました。
最初の演目は「双蝶々曲輪日記 引窓」。人をあやめる罪を犯した濡髪長五郎を錦之助さんが演じ、代官として長五郎を捕らえる仕事を命じられた南与兵衛を隼人さんが演じました。親子の情愛や義理人情が垣間見える展開に、観客は深く引き込まれました。
二つ目の演目は、「身替座禅」。大の恐妻家でありながら浮気性の山蔭右京は、妻・玉の井の目を盗んで愛人に会おうとします。右京役の隼人さんは、なんとか妻をだまそうと悪知恵を働かせる様子をコミカルに演じました。玉の井を演じたのは錦之助さん。「引窓」の役柄とは打って変わり、女性らしい感情の揺れ動きをを巧みに表現して観客を魅了しました。