ミルハス大ホールステージにフル・コンサート・グランドピアノ3台が並んだ。スタインウェイ社製2台、ヤマハ社製1台。ミルハス開館以来、大ホールに3台が勢ぞろいしたのは初めてである。1台1台の存在感は圧倒的なうえに、3台が並んだ姿は壮観であり、そのたたずまいはホール全体を凛とした空気に包んだ。
この3台のピアノを使った「ピアノマラソン」が2月18日開かれた。第一線で活躍するピアニストが選定し、コンサートで実際に弾いたピアノを、広く愛好者にも演奏する機会を提供したいと企画。公募で集まった6歳から69歳までの43人が参加した。
参加者は緊張した面持ちでステージに進むと一礼し、好みのピアノを選ぶと、精いっぱいの演奏を披露した。ピアノを始めたばかりの人、キャリアを重ねた人など様々だったが、いずれも演奏後はほっとした表情を見せ、中には満面の笑みを浮かべる人もいた。
参加者が素晴らしい音色をつないだ一日。一人一人の時間は残念ながら限られていたが、憧れのピアノを弾いた経験をずっと忘れないでほしい。年齢を重ねても長く親しめるのがピアノであり、音楽である。これからも練習を重ね、マラソンのように一歩ずつ前に進んでほしい。ピアノマラソンは毎年開催する予定である。今回の参加者はまた機会があれば参加してほしいし、新たな参加者も大歓迎である。多くの人たちにミルハス大ホールでのフルコンピアノ演奏を体験してもらいたい。