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【スタッフブログ】「劇場へ行こう」#049 中ホールが講義室に

2024.01.28

 何十年ぶりだろう。まるで大学の講義を受けているような気分だった。

 「ラヴ・レターズ」公演を記念した、演出家藤田俊太郎さん(秋田市出身)による「講演とワークショップ」が本番前日の1月27日に開かれた。きっかけは雑談からであった。ミルハスアドバイザーを務める藤田さんからミルハスの運営全般について話を聞いている際に、「『ラヴ・レターズ』の前日、中ホールが空いているなら何かやりましょうか」とのうれしい提案を受けたことが「この日」につながった。日ごろから「秋田のために、ミルハスのために」と話してくれる藤田さんの心意気を強く感じた。

 講演は、藤田さんがこれまでに演出した舞台、ミュージカルの映像を交えながら、それぞれの魅力を伝えた。藤田さん自身が大学で講義を持っているという。そのためもあるのだろう。聴講者に対して時に語り掛けるように、時に訴えるように、専門用語を交えながらもわかりやすい言葉で講演は進んだ。「既成概念を打ち破るのが演劇。可能性は無限にある」「才能のある人はいっぱいいる。ただ才能を生かせる人はほんの一握り。スポットライトの当たっていない人たちにスポットライトを当ててあげたい」―。胸に響く、珠玉の言葉を参加者はたくさんもらった。

 講演に続いて開かれたワークショップには29人が参加。実際に舞台に上がり、脚本を読み、藤田さんからの指導を受けた。藤田さんは講演同様に決して難しい言葉は使わず、一緒に考えながらワークショップを進めていった。その中で自然と物語の背景までも踏み込み、参加者たちをぐんぐん引き込んでいった。藤田さんの熱も入り、予定時間を大幅にオーバーしたほどである。参加者一人一人が第一線で活躍する演出家からかけてもらった言葉は「宝物」となったはずである。「この日、この時」をきっと忘れることはないであろう。

 講演、ワークショップを通じて感じたのは、言葉の力である。これまで培ってきた知識や経験に裏打ちされた藤田さんの言葉は一言一言が聴衆の胸に突き刺さるものばかりであった。講演2時間、ワークショップ2時間の計4時間にもわたる長丁場であったが、あっという間との感はぬぐえない。藤田さんの言葉を真摯に受け止め、聴衆、参加者も一体となってつくり上げた4時間と言っても過言ではない。

 多忙を極める人気演出家がこれだけの時間を確保するのはきっと大変だったと思います。演出にかける熱意とともに「秋田のために、ミルハスのために」の思いは十分に聴衆、ワークショップ参加者、そしてミルハススタッフに伝わりました。藤田さん、本当にありがとうございました。感謝とともに、このような機会がまた開かれますことを期待しております。