個人的に最も好きな季節である。ミルハス周辺は新緑に包まれ、流れる風は爽やかである。生きている、いや大きな自然の中で生かされていると感じる季節でもある。
ミルハス前を通って千秋公園を散策する人の姿を目にする機会が多くなった。齢を重ねたご夫婦が仲良く歩いていたり、若いお母さんがベビーカーを押していたり、ご婦人が愛犬を連れていたり。いずれもこの季節を満喫している様子がうかがわれる。
クルーズ船の秋田港への寄港が増えたことで、外国人の姿もみられるようになった。日本語に交じって外国語の会話が耳に入ってくる。秋田市を楽しんでくれているようで、こちらの気持ちも弾んでくる。
ミルハスは特段用事がなくとも、気軽に立ち寄れる施設となっている。1階ロビーは勉強にいそしむ高校生、懇談する女性たちに加えて千秋公園散策の行き帰りに立ち寄る人たちも増えてきた。散策の休憩でも構わないので、ふらりと足を運んでほしい。
総合案内に先日、一人の外国人が訪れた。背景にある大館曲げわっぱ、川連漆器、樺細工を興味深げに見学していったという。ミルハスで秋田を感じてもらえたとすれば幸いである。
「あらたふと青葉若葉の日の光」。松尾芭蕉が「おくの細道」で日光東照宮を訪れた際に詠んだ句である。木々の若葉や青葉に降り注ぐ日の光は何と尊いことかと解釈できる。ミルハス正面入り口前に立つとこの句がぐっと身近に感じられる。