Blog

【スタッフブログ】「劇場へ行こう」#031 ミュージカル

2023.01.16

 笑いと涙にあふれた見どころ満載のステージに会場が沸いた。県民・市民参加型ミュージカル「欅の記憶・蓮のトキメキ」が14、15の両日、中ホールで上演された。幕が上がってから終演まで力の限りを尽くした出演者に、客席から割れんばかりの拍手が送られた。

 ミュージカルは開館記念事業の一環。出演したのは公募に応じた県内在住の老若男女45人で、演劇やミュージカルの未経験者も多かった。公演の1年以上前から演劇、歌、ダンスに真剣に取り組み、大勢の観客の前に立つ気構えを醸成した。ひたむきな努力に頭が下がるばかりだ。

 出演者を導いたのは各分野の第一線で活躍するスタッフの方々。忙しい中、練習のために県外からも駆け付け、熱意あふれる指導を行っていただいた。本番で出演者一人一人を輝かせた。

 「観劇する事が出来て心から幸せでした」「舞台を観ながら秋田に生まれて良かったと何度も思った」「めちゃくちゃ泣いた」…。SNSには来場者の感想が投稿されている。舞台から発せられたメッセージをしっかり受け止めてもらったのだと思う。芸術の持つ力を再認識した。

 2日間の公演を終えた直後、舞台裏でセレモニーが開かれ、演出を担当した畑澤聖悟さん(劇団渡辺源四郎商店主宰、五城目町出身)が出演者に語り掛けた。「(今後も)ミルハスでこのような舞台がつくられていくと思うが、この先ずっと『あの舞台を超えよう』と言われるものになった。みんなは伝説をつくった」。完成度の高さや観客の反応を見れば、決して大げさではないと思う。目を閉じれば、ステージで躍動する出演者の姿が浮かんでくる。