漫画「黒子のバスケ」は高校バスケットボール部の物語。主人公の黒子テツヤはチームの中では目立たない影のような存在である。しかしその存在感の薄さを利用して、信じられないようなパスやシュートを繰り出してはチームの勝利に貢献する。名前が表すように、文字通りチームの黒子役である。
黒子とは、歌舞伎や文楽の舞台で後見が着用する黒い衣服、または後見役そのものを指す。人や組織を後ろから支える人の意味も持つ。
ミルハスの黒子を担っているのは舞台運営課のスタッフである。総勢12人。舞台、照明、音響の各部門で公演や催しを支えている。指定管理者を構成するスペースプロジェクトの社員たちである。それぞれがプロフェッショナルであり、これまでも有名アーティストの公演に参加するなど多くのキャリアを持つ。
スタッフの服装は極めてシンプル。黒のシャツに、黒のパンツである。自分自身が目立たないようにということともに、多くの機材や道具を扱うことから汚れが目立たないようにということもあるようだ。黒いTシャツだけで、10枚前後は所持しているとのことだ。
たまに鼻緒のついた雪駄を履いているスタッフもいる。ヒノキでできている所作台を設置する際に、靴に付着した油などで汚さないように、足袋、雪駄を着用しているのである。舞台設置においては古くから、このスタイルが採られているという。これも伝統の一つであろう。
黒子役がいることで、出演者、観客は安心して舞台を楽しむことができる。表舞台に出ることはないが、しっかりとその役目を果たしている。