春は旅立ち、出会いの季節である。同時に別れの季節でもある。卒業、転勤、退職―。これまで一緒に勉強、部活動、仕事をしてきた仲間たちとは別の道を進むことになる。
「おめでとう」とドーンと背中を押して送り出したいが、やはり一抹の寂しさは禁じ得ない。
劇場開館準備事務所はスタッフ10人の小さな世帯。それだけに風通しもよく、和気あいあいとした雰囲気の中で仕事をしている。この春、60代スタッフ1人が事務所を去り、新たな人生を歩むことになった。人生100年時代と考えれば、まだまだこれからである。どんな生活を送ることになるのか。愛煙家でもあるだけに、とにかく健康第一を心掛けてほしいと願う。
コロナ禍の中、大々的なお祝いをすることもできず、送る方も送られる方も何とはなしにもやもや感が残る。今回、スタッフの退職にあたっては事務所内でささやかながらセレモニーを開いた。ちょっとしたサプライズの演出もあり、笑顔での送る会となった。多くの職場で同じような光景が見られたに違いない。
別れがあれば出会いがある。4月から事務所スタッフは新たな仲間を迎え、35人体制となる。開館準備はいよいよラストスパートの時期に入る。
東京では桜が満開とのニュースが流れている。北国秋田に桜前線はまだ”到達“していないが、桜前線の北上をわくわくしながら待ちたい。桜が咲き、続いて新緑の季節を迎えると、いよいよミルハスの開館である。