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【スタッフブログ】「劇場へ行こう」#001ビスケットの天ぷら

2021.11.11

「ビスケットの天ぷら」

 「まほうの天ぷら」。この童話のタイトルに興味がひかれた。作者は横手市山内出身の45歳の女性で、現在は宮城県に住む。作品は東北在住のアマチュア作家を対象にした「第1回みちのく童話賞」の対象に輝いた。先日の秋田魁新報で報道された。
 童話の舞台として想定したのは故郷の旧山内村の実家で、タイトルにもなった「まほうの天ぷら」とはおばあさんがおやつ代わりに作ってくれた「ビスケットの天ぷら」だという。作者は幼いころから親しんできたと話していた。
 あきた芸術劇場開館準備事務所の職員10人。いずれも県内出身者である。この報道を契機に、ビスケットの天ぷらを食べたことがあるかの話で仕事の合間に盛り上がった。コロナ禍で外食を控えている時だけに、食べ物の話題は弾む。食べたことのある職員は3人。残る7人は食べたことはもちろん、その存在さえ知らなかった。
 職員の1人が偶然にも横手市山内出身。子供のころからよく食べていたうえ、今も帰省すれば食べることが多いとし、知らないスタッフに「なんで」とばかりに驚きの声を上げていた。ちなみに残る2人は男鹿市と秋田市河辺の出身者だった。男鹿市出身者は「ビスケットだけでなく、食パンも天ぷらにして食べている」とごく自然に語りだした。
 県内では広く知られていないものの、一部地域で愛されている食べ物がまだまだあるようだ。湯沢市出身の職員はイルカを食べていたが、他地域の人からはこれも驚かれるという。きっと味わったことのない地域の伝統食はまだまだ埋もれているはずである。そんな出会いが楽しみでもある。ビスケットの天ぷらもぜひ一度食べてみたい。           
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 子供のころからビスケットの天ぷらをこよなく愛している横手市山内出身の職員は30歳の男性。パソコンでのデザインはプロ顔負け。開館前イベントやワークショップのポスターやちらしなどの制作も担当している。ベース奏者でもあり、こちらはプロとして、県内バンドに所属しステージにも立つ。
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 あきた芸術劇場開館準備事務所の職員は、来年6月の開館に向けて準備を加速させています。そんな中、ほっと心温まる話やとりとめのない話でリフレッシュすることもあります。
 準備の進捗状況の発信とともに、職員間でかわされた話題などを伝えることで、職員の顔も折に触れて紹介していきたいと思います。スタッフブログ、題して「劇場へ行こう」。