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【コラム】千秋小径

2021.11.02

 ふとしたことで甘酸っぱい青春の思い出がよみがえることがある。それは音楽だったり、映画だったり、場所だったり。演出家の畑澤聖悟さん(五城目町出身)にとって、そんな思い出の場所の一つが秋田市の千秋公園だという。「高校時代、旧県民会館で合唱したことがある。図書館では受験勉強もしたし、千秋公園ではデートもした」▼あきた芸術劇場の開館記念事業として2023年1月に「県民・市民参加型ミュージカル」が上演される。タイトルは「欅の記憶・蓮のトキメキ」。千秋公園のお堀端で歴史を見守ってきたケヤキとお堀に咲くハスをモチーフにした親子3代にわたる壮大な物語。本県の伝統芸能も多数登場する▼その演出を担うのが畑澤さんである。思い出の場所が舞台ということもあり、意欲満々。先日の発表記者会見では「古里の良さをミュージカルで訴えたい」と話した▼会見には脚本を当した栗城宏さんも出席。ケヤキとハスをモチーフにした作品をどうやって書き上げるか悩んだものの、「面白い台本となった」と胸を張った。今後さらに台本を磨き上げていくという。どんな作品となるのか胸躍る▼ミュージカルというと、堅苦しく考えがちだが、歌って、踊って、演じてと、エンターテインメントの要素がふんだんに盛り込まれている。物語とともに流れる音楽やダンスは心に響き、自然と体も動く。本県では「わらび座」がオリジナルのミュージカル公演を積極的に展開しており、根強いファンも多い▼ミュージカルの出演者の公募がスタートした。経験の有無は問わない。舞台は出演者が楽しんでこそ、観客も盛り上がる。とかく秋田県人は引っ込み思案とも言われている。「まずやってみよう」の気概で多くの県民に応募してほしい。きっと楽しい思い出の1ページとして、長く残るはずである。

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